サンドリヨンに憧れて
俺の女
「どうしたん・・?」

「香澄と離れたくないから・・」

「そんなに一緒にいたい?私と・・・」そっと見上げてみると

やさしい笑顔で答えてくれた。

「そうや・・ずっとな・・」

「でも今夜は・・帰ります・・・」

「・・・じゃ・・帰るか・・」

そっと離れて立ちあがり、腕を組みながら駐車場に向かった。

初デートで藍子と遭遇・・・いきなりバレてしまったけど

あの二人なら・・・大丈夫と思った。

車の中で突然、課長が言った。

「香澄・・・この休みの間・・・泊まりに来るか」

「え?・・」

「残りの4日間・・・一緒に過ごせるし・・」

「それは・・迷惑になりませんか?」

「一緒におりたいからや・・・」私の手を触れてきた・・

「ちょっと考えさせて・・」窓の外の夜景を見ながら答えた。

いきなりのお泊まりは拙すぎる・・・それに今朝の失態・・・

そんな関係にいきなりなっていいのか・・悩んでいると

家の前に着いてしまった。

エンジンを止めて一緒に降りてくれた。

その時、マンションの玄関前の人影に足が止まった。

「何で・・おるん・・」

別れたはずの男・・・立川・・伸也だった。
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