サンドリヨンに憧れて
「散々俺がいいって言っといたくせに・・・」

「そんなんもう昔の話やんか・・もう帰ってよ」

「彼女が待ってるやろ・・はよ帰れ」

「・・っ・・あんな女・・俺のことなんてどうも思ってませんから」

「だからってここに来てどうすんのよ」

「お前から香澄をふったんやろ・・それでようここに来れたな・・」

「課長に何がわかるんですか!俺の気持ちなんて・・・くそっ・・・
やっぱり香澄・・お前のほうがよかった・・・」

「何を今更・・・」

「立川、お前の選んだ結果やろ。お前も男なら、それぐらいでこんなことするな」

「香澄・・覚えとけよ・・」

私に言っているはずなのに、立川の目は課長を見ていた。

もうそれ以上は何も言わず私達の前を通りすぎ、帰って行った。

「香澄・・・大丈夫か?」

「あ・・うん・・・」

と言われたが、足は凄く震えていた。

「香澄・・・俺の家に行くぞ」

「え?」

「こんな状態の香澄をひとりにはできひんな・・とりあえず着替え
取りに行こう・・」

ゆっくりと歩きながら私の家まで来てくれた。

「散らかっていますが・・どうぞ・・」

「お邪魔します・・」

リビングに案内して座って待ってもらった。

「香澄・・ゆっくりでええから・・・用意しておいで」

「はい・・それじゃ・・」

寝室に行って用意を始めた。
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