サンドリヨンに憧れて
「孝男さん・・代わって・・って・・」

今頃になって恥ずかしさが増して、さっとスマホを渡した。

ニコッとやさしく笑った後、話を始めた。

その隙にお風呂に戻り、濡れていた身体を拭いた。

拭き終わり出た時、そこにはいなかった。

廊下で話をしている声が聞こえた。まだ会話が終わっていないようだった。

扉の向こうからはずっと相槌が聞こえていた。

扉を開けて見ると、私の顔を見て、ニコッと笑ってくれた。

「・・心配ない香澄は俺の家にいてる・・ああ・・わかった・・じゃ明日な・・」

会話を終えて私にスマホを渡してくれた。

「孝男さん・・どうなった?」

「明日ここに庄司と黒田さんが来る・・それからやな・・」

「孝男さん・・ごめんなさい・・」

「香澄が謝ることと違う・・あいつがやったことや・・・」

「でも・・原因は私・・」

「心配するな・・それよりさっきの香澄の裸をちゃんと見られへんかった
ことのほうが・・惜しかったな・・」

「孝男さん!もう・・こんな時に!」

「冗談や・・俺も風呂入ってくるわ」私の頭を撫でて入れ替えに入って言った。

孝男さんなりの冗談を言って私の気を紛らしてくれたんだろう・・。

そう思いながらリビングで出てくるのを待っていた。

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