サンドリヨンに憧れて
そのまま飲み続け、誰も酔うことも無くすっかり日が暮れた。

「加藤さん・・そろそろ帰ります」

「夕食のつもりで作ったのがあてになってしまったな」

「加藤さん・・香澄の料理っておいしいでしょ」

「ほんま上手かった」

「藍子のほうがもっと上手ですよ」

「庄司・・俺らええ女捕まえたな」

「でしょ・・俺の女は最高ですから・・・」

「秀明・・・酔ってる?」

「あほか・・これぐらいで酔うか・・」

「加藤さん、今言ってることは、ほっといてくださいね」

「黒田さん・・顔赤いで・・」

「加藤さん・・ほら、香澄のこと忘れてませんか?」

「忘れるか・・おんなええ女・・誰にも渡さへんからな・・」

みんながいるのに私を抱き寄せ肩にもたれさせた。

「孝男さん・・・それあかんって・・」

「ん?気にするな・・」

「香澄・・・今夜は食べられてしまうかも・・・」

「は!藍子!何てこと言うかな・・あんただってそこにもの欲しそうに
みている奴がおるけど・・・」

「私らのことはええから・・・何ならこの間の話・・加藤さんにしようか?」

「あかん!」咄嗟に大きな声がでてしまった。

「香澄・・・耳が痛い。で、何やその話って・・」

「加藤さん・・・香澄ってね・・・」

「藍子!それ以上言ったら・・・爆弾発言・・するよ・・庄司に」

ニコッと笑って藍子に言った。


< 58 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop