サンドリヨンに憧れて
ゆっくり・・・
「香澄の肌に触れさせてほしい・・・」

そのまま私の胸元に唇を落とし、そこを何度も行き来し始めた・・・

その感覚にゾクッとしながら目を閉じて彼の動きを感じていた・・

こんなにもスローな動きを体験したこのない私には、

未知の世界に引き込まれた感じがした。

この後どうなってしまうのか・・すこし怖かった・・・。

突然の出来事に緊張していることが感じたのか、動きが止まり

私をやさしく抱きしめた。

「香澄・・・嫌なら・・やめようか・・・」

「え・・・」

「今夜はここで終わろうか?・・」

「違う・・」

「ん?何て?」

「恥ずかしいのと・・緊張するのと・・」

「え?」

「こんなにもやさしくされたこと・・・」

まるで過去のの経験を言ってしまっているみたいでそれ以上は言えなかった。

今まではこんなにもやさしくされたことがなかった。

ただ私に欲求をぶつけてきただけだったように思った。

今思えばあいつは私のことほんとうはどうでもよかったんじゃなかった

のかとも思ってしまった・・・。

「・・・香澄・・・顔を上げて・・・」

ゆっくりと胸元から顔を上げると、私の顎をそっと持ち上げた

「どれだけいいものか・・・教えたる・・・」

唇を重ね合いながら彼の指先は私の身体を触れ始めた。
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