サンドリヨンに憧れて
目が覚めると・・・私一人でベットに寝ていた。

寝ていたはずの所に触れてみるとシーツは冷たくなっていた。

長い時間一人で寝ていたんだと思い、慌てて起き上がった。

部屋を見渡しても彼の姿はここには無かった。

羽織るものを取りにベットから降りてクローゼットを開けた時、

部屋のドアが開いた。

焦って目の前にあったデニムのシャツを羽織り、肌を隠した。

「香澄?」

「あ!おはよう・・着るものを・・」

「何でも着たらええから・・」やさしく笑いながら私に近寄ってきた。

「え・・あ!ごめんなさい・・」

慌てて着たのは彼のシャツだった。確認せずに羽織ってしまっていた。

「孝男さん・・ごめん・・」

「ええよ・・それより、その恰好・・」

「あ!・・すぐ着替えるから・・」

「そのままがええな・・」

そっと腰を抱いて捕まえられてしまった。

「あかん・・この格好は・・孝男さんの前ではできません」

「その恰好でおって欲しかったな・・・」

「あっ!シャワー借りますね」

「2階の使っていいから・・・」

「え?何処ですか?」

「出たところの前」

「じゃ借ります・・・」

言われた扉を開けると、1階ほど大きくはないが、もう一つお風呂があった。

やっぱり社長の息子やわ・・・と思いながら使わせてもらった。
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