サンドリヨンに憧れて
部屋に戻るとベットに横になって本を読んでいた。

「孝男さん・・・」

「ん?出たか?」

「はい・・」

「それじゃ・・・そこに座っとき」

「え?」

部屋を出ていき1階に降りていった。

暫くすると、トレイに乗った朝食が運ばれてきた。

「孝男さん・・・これ・・」

「朝ご飯・・買ってきたものもあるけど・・」

「ごめんなさい・・何もしないで・・」

「無理させたん俺やし・・・」

「あ・・」思いだして顔が熱くなった。

「ゆっくりしようって言ったやろ・・気にせんでええから・・」

ソファーに座りのんびり朝食を食べてゆったりとした時間を過ごした。

「じゃ・・片付けますね・・」

「頼む・・それと今日はゆっくりしたらええから家の中で好きなこと
してたらええよ・・出かけるなら鍵わたすけど」

「・・・じゃ掃除してきます・・」

1階に降りて片付け、掃除をして2階に行ってみると、彼はパソコンで何かをしていた。

「孝男さん・・・」

「どうした?」

「ここにいててもいい?」

「ええよ・・・それとも一緒におったほうがええか?」

「どうぞパソコンしててください」

「なんや・・冷たいな・・」

「違います。お邪魔かなって思っただけです」

「ネットで検索してただけやから・・・」

「何を?」

「香澄が気になってた旅行の場所」

「あ・・あれですか」

今度一人旅をしようと計画していた温泉だった。


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