サンドリヨンに憧れて
「まぁ・・父さんと母さんなら心配せんでええよ。香澄が変な男に
捕まらんかったらそれでええし、結婚も好きにしたらええよ。それに
あんたの人生や、これやと思ったら進んだらええ」

「母さん・・・」

「今度お店においで・・二人で・・・」

「うん・・ちゃんとお店のこと話しておくわ・・・」

「そうやね。それと、お部屋を借りてるんやったら、それなりのお礼はしなさいよ」

「はい・・」

「じゃ・・残りの休日・・あまーい時間送って・・」

「母さん・・・もう・・」

「じゃ・・準備あるから・・」

「はい・・じゃまたね」

電話を終えた。

親にも連絡をいれたし、後は・・・会社の仲間か・・と考えていると

階段を降りる音が聞こえた。

「香澄？・・」

「あ・・ごめんなさい。電話してて・・」

「終わったんか？」

「はい。両親に連絡を・・・」

「そうか・・俺も挨拶しておけばよかったな」

「大丈夫です・・・孝男さんのことは知っているんで・・・」

「え？何でや」

「実は・・・」

私の家族のこと、お店のことを説明すると、彼はかなり驚いていた。

「え？じゃ香澄は・・あのマスターの娘？」

「はい・・そうです」

「今度挨拶に行かなあかんな」

「そのうちでいいですよ・・」

「マスターには結構世話になってるからな・・俺の酔った所も見られるし・・」

すこし気まずそうにぼそっと言っていた。
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