サンドリヨンに憧れて
「もう・・・苛めんとってや」

「ごめん・・きっとあんたのことやから・・ガチガチに緊張してるんかと思ったんよ」

「ママ・・よくお分かりで・・」

「そりゃ・・私の娘ですから・・・さぁこっちにどうぞ・・」

カウンターに案内されて奥から父と姉がやってきた。

「いらっしゃい、加藤君・・・」

「いらっしゃいませ・・・」

「ご無沙汰してました・・」

「って二人で来てるというのは?香澄まさか・・あんたの男?」

「男って・・姉さん・・もっと他の言い方ないの?」

「だって・・・ええやん知った仲やし、なぁ、加藤さん」

「まぁ・・ほとんど知られているんで・・」

「もう・・姉さんも・・・ちょっとは気使ってほしいわ・・・」

「まぁまぁ・・・お前ら言い合いするな。で、香澄・・ちゃんと話してくれ」

「あ・・これからつきあっていこうと・・・」

「マスター・・いいえ、今夜は香澄さんのお父さんとして、今後のことを
お話したくてきました」

「そんな堅苦しいこと言わんでも・・・加藤くんのお父さんとも友人や、君ら息子達より
付き合いは長い・・・今後っていうことは・・・何や結婚するんか?いつや?」

「父さん・・・結婚ってそんな・・」

「香澄が決めたことやったら好きにしたらええ・・・まぁへんな男なら
ここで言うたろうと思ったけど、加藤君なら何にも言うことない。加藤君、
こんな何にもできひん娘やけど・・・よろしくお願いします」

「香澄さんは素敵な御嬢さんです・・こちらこそこれからよろしくお願いします」

「それじゃ・・・お祝いに・・好きに飲んだらええから・・友香、作ったり」

「はい・・・じゃ姉さん特性のカクテル・・・作ったるわ」

「ありがとう・・・」
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