アクアブルーのラヴソング
3
普段は米国史の授業に使われているらしいその教室で、来ないことを祈りながらチューターの来訪を待っていると、特徴的な外ハネショートの、明るい茶色の髪をしたアジア人の女の子が入ってきた。
ぼくを見つけた瞬間に、待ち合わせしていた友達をみつけたときのようにパッと目を開いたところを見ると、どうやら彼女のようだ。
最初に見た瞬間に思った通り、彼女は生粋の日本人で、幸運なことに日本語も堪能だった。
名前は野田美耶子(のだみやこ)といった。
「どこでする~?」
ハワイで生まれ、六歳のときにこちらに移住し、両親ともに日本人なので日本語は喋れるが、一度も日本の土地を踏んだことはない・・・。
簡単な自己紹介を一方的に終えると、彼女は眠たそうな二重の目をパチクリさせながら訊ねた。
ぼくは自分の自己紹介の機会を与えられなかったことと、質問の意味がわからないのとで、しばらくのあいだ、ねじのきれたブリキの人形のように硬直していた。
ぼくを見つけた瞬間に、待ち合わせしていた友達をみつけたときのようにパッと目を開いたところを見ると、どうやら彼女のようだ。
最初に見た瞬間に思った通り、彼女は生粋の日本人で、幸運なことに日本語も堪能だった。
名前は野田美耶子(のだみやこ)といった。
「どこでする~?」
ハワイで生まれ、六歳のときにこちらに移住し、両親ともに日本人なので日本語は喋れるが、一度も日本の土地を踏んだことはない・・・。
簡単な自己紹介を一方的に終えると、彼女は眠たそうな二重の目をパチクリさせながら訊ねた。
ぼくは自分の自己紹介の機会を与えられなかったことと、質問の意味がわからないのとで、しばらくのあいだ、ねじのきれたブリキの人形のように硬直していた。