アクアブルーのラヴソング
7
たくさんの花に彩られた植物園のような庭で、ぼくは美耶子のオリジナル新曲の最初のリスナーになる栄誉を得た。
縁側に並んで座り、脇には結露のついたふたつの空のグラスが、となりにはギターのチューニングをする美耶子が、そして頭上には、美しいはずなのに今まで美しいと感じたことのなかった、カリフォルニアの澄んだ夕焼け空が、悠然と広がっていた。
ギターのハーモニクスを聴きながら、ぼくはふと、夏の終わりの匂いを感じた。これがカリフォルニアの夏の終わりの匂いかと、今頃になって気づく。
「できたよ」
美耶子がギターを構え、ぼくの方をみつめている。緊張しているのがわかったので、ぼくはわざとおどけて、小刻みに拍手をした。美耶子は「あはは」と笑って正面を向くと、大きく深呼吸した。
「うん。じゃ歌うよ。歌詞はまだできてないから気にしないでね」
美耶子はイントロのアルペジオを弾き始めた。
初めて聴くのに、なぜか懐かしい音色だと思った。
縁側に並んで座り、脇には結露のついたふたつの空のグラスが、となりにはギターのチューニングをする美耶子が、そして頭上には、美しいはずなのに今まで美しいと感じたことのなかった、カリフォルニアの澄んだ夕焼け空が、悠然と広がっていた。
ギターのハーモニクスを聴きながら、ぼくはふと、夏の終わりの匂いを感じた。これがカリフォルニアの夏の終わりの匂いかと、今頃になって気づく。
「できたよ」
美耶子がギターを構え、ぼくの方をみつめている。緊張しているのがわかったので、ぼくはわざとおどけて、小刻みに拍手をした。美耶子は「あはは」と笑って正面を向くと、大きく深呼吸した。
「うん。じゃ歌うよ。歌詞はまだできてないから気にしないでね」
美耶子はイントロのアルペジオを弾き始めた。
初めて聴くのに、なぜか懐かしい音色だと思った。