恋、物語り
✳︎ ✳︎ ✳︎
あんな幸せな時間だったのに、3ヶ月も過ぎると不満が溜っていた。
「え?…また?」
不機嫌そうに私は小林くんを見る。
困惑している表情を彼は全く見ていなく、これから始まる快楽への期待に胸が膨らんでいる顔。
その顔は酷くだらしなく思えた。
「なんで?アヤ、俺のこと好きだよね?」
「好き、だけどさ…」
「俺も好きだよ」
そっとキスをして、私を押し倒す。
「ちょっと…っ!私、今日はそんな気分じゃないっていうか……きゃっ」
私の言葉も半分も聞いていないのだろう、彼は強引に事を進めて行く。
ドキドキすら、しなかった。
初エッチから3ヶ月、外でデートしていても、彼はすぐに家に行こうと言い出す。
そして、部屋に入った途端に私を抱きしめてベッドに押し倒す。
初めの内は、それも嬉しかった。
求められている。そう思えたから。
けれど、今は、彼の性欲を満たす道具でしかないような気がしてならない。
「アヤ?気持ちいい?」
「うん…」
良かった。と、彼は微笑む。
演技ばかり上手くなっていく自分にも嫌気がさした。