恋、物語り
2.雰囲気が
2002年、高校一年生ーー…
「アヤちゃん、ちょっと良い?」
そう手招きされて呼ばれたのは
3時間目と4時間目の間の10分休みの時だった。
呼び主は、隣のクラスのアキコ。
「え、アキコ?どうしたの?」
アキコが私のクラスに来るのは珍しく
まして私のを訪ねてくるのはほぼ無いに等しいから余計に驚いてしまう。
私は駆け足でアキコがいるドアへと向かった。
私がアキコの近くに行くと
真剣な顔なのにどこか口元が緩んでいる
アキコが口を開いた。
「あのね、アヤちゃんに用事がある人がいるんだって。視聴覚室にいるから行ってみて?」
「…今?……うん、わかったよ」
10分休みに呼ぶなんて…
と思ったけれど
私は急いで視聴覚室へ向かった。
ーー…何が待ってるかなんて想像すら出来なかった。