恋、物語り
数日が過ぎた。
もう少しで夏休みだというのに、数日が過ぎたというのに、学校で小林くんの姿を見ることはなかった。
避けている。
そう言われたらそうかもしれない。
けれど、広い学校の中
たくさんの生徒。
見つけなければ見つからないものなんだと実感する。
小林くんも、中島くんも。
何ら変わりない私の生活。
昨日のテレビの話し。最新のネイルの話し。
どこどこのパンケーキが美味しいだの、数学の公式が覚えられないだの。
何も変わらない。
元に戻っただけだった。
告白される前のあの日常に。