恋、物語り
しばらくの沈黙の後、
「えっと、どうしたの?」
沈黙を先に破ったのは私だった。
あと3分もすれば4時間の始まりを告げるチャイムが鳴る。
少し焦りながら問う。
「あ、突然呼び出してごめんね。えっと…」
一瞬にして彼は顔を赤く染めた。
口籠る彼を見て段々と焦りが込み上げてくる。
私は次の英語をあと2回休んだら
夏休み補習が決まってしまう。
私が口を開こうとしたその時、
彼の口から思いがけない言葉が飛び出してきた。
「あの…えっと……す、好きです!」
「………え!?え…あの…え?好き?…え?私を?」
彼に負けじとみるみる顔が赤くなって行くのがわかる。
次の言葉が見つからなくて「え…あ…あの…」と仕切りに言っていた。