恋、物語り



好きとは言われたが
核心のついた言葉を彼は言っては来ない。

好きと言う言葉の中に「付き合いたい」と言う意味も含まれているのか。


沈黙が続く中、告白されたのなんて初めてで、恋愛ビギナーの私にはこのあとどうして良いのか分からない。



「高校入って2ヶ月ちょっとだけど、4月からずっと可愛いなって思ってて。
もし、彼氏とか好きな人がいないなら俺と付き合って下さい」



顔が熱い。

自分の顔だけが別の物なんじゃないかって思える程、顔が赤いのが分かる。




チラっと彼を見ると赤く染まっている彼の顔を見てドキっと鼓動が鳴った。


続く沈黙も不思議と居心地は悪くなかった。





「あの、考えさせて下さい」


無理矢理口を開いて放った言葉は
なんてありきたりな言葉なんだろうーー


< 6 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop