恋、物語り



「嬉しい…?ウザくないの?」
「嬉しいよ。嫉妬されるって俺のこと少しでも思ってくれてるってことでしょ?」

赤い顔がもっと赤く染まる。
「ありがとう。ほんと嬉しいよ」
そう言って、彼は手を離した。


アルバムを閉じて、本棚に戻すとまた私の目の前に座る。
「アヤ、好きだよ」
そう言って、彼の手は私を抱きしめようとした。

けれど、すぐに手を下に置いた。


「あぶねー。理性飛ぶとこだった。
ごめん。アヤ、まだ中島のこと……」

ーー…『好きだよな』

そう言いたげな彼を見て胸が痛い。
「宿題やるか」そう言って、私の前から立つから…
だから私は…


「小林くんーーっ」

彼の手を握ってしまった。



「アヤ?どうしたの?」
「あの…ごめんなさい。
私、もう中島くんのことは好きじゃないの」

言葉にするととてもリアルだった。
私の言葉が部屋の中にこだまする。
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