ずるいよ。
最低
「朝岡。神田。
ちょっといいか?」
過去を振り返っていると、突然部長に呼ばれる。
あ、競ってた案件のことだろう。
「今回の案件のことなんだが
今回両方とも素晴らしかったんだ。
どうだ?今回の案件。二人でやってみないか?」
部長は私たちにそう言った。
二人?
それだけは避けたかった。
「あの。部長!─────「いいっすよ。」
私の批判の声に、朝岡の声が重なった。
「おー。よかったよかった。
じゃぁ、さっそく二人で作業を開始してくれ。」
「はい。」
なんで。
こいつとやるくらいなら、案件とられた方がまし。
いっそ、今からでも譲ってやれることも出来る。
でも、部長のキラキラした目を見ると
やっぱり無理です。なんて言えない。