煩いHoney
それって、貸すとちがうやん。
くれない? じゃん。
…まあ、言わないけど。
さすがにそれは心が狭いって、わかってるから。
でも、こういうのがけっこう気になるタイプのわたし。
女子ではめずらしいタイプだって自覚はある。
「なあ滝井、消しゴム貸してくんね」
そうやってまた考えなしに、あいつはわたしから物を借りる(厳密には奪う)。
とはいえわたしも拒否できないから仕方なく渡すけど、本当はそこそこ鬱憤も溜まってる。
なんでわたしなの? って。
わたしばっかり、って。
通り一変のサンキュとか、
そんなの感謝のうちに入らないし。
ムカつく。
わたしはあんたの便利屋じゃない。