うちの所長は妖怪さん
「━━だぁぁぁぁあ!!今、他の妖怪見てんだろっ!!」
『遊ぼ。怪にーちゃん。遊ぼ』
『遊ぼ』
『遊ぼ』
と、他の妖怪を診療中の所長の背中にヨイショ、ヨイショと登る三つ子妖怪達。
「お前ら重い!!登ってくんなっ!!」
『『『遊ぼ』』』
「うっ………………」
目が合ったのか、しばし三つ子達と所長の間に静寂が訪れる。
それに耐えきれなくなったのか…
所長は諦めたらしい。
「━━…はぁ…分かった、分かったから!!
…後で遊んでやるから向こうで待ってろ」
『『『やった』』』
と、三つ子達が走って行くのが見えた。
「━━…ったく」
「ふふっ、諦めましたね」
「見てたんなら笑ってねぇで助けろって…」
「えぇ、だってあんなに面白い…
…いえ、ワタシナニモミテマセン」
と、目をそらして所長の手伝いを始めた。
「…はぁ…どいつもこいつも…」
横で所長の文句を聞きながら。