はると先輩
「あっ、あの、先輩っ・・・!」


先輩は怪訝そうな顔をうかべる。


怖い・・・。


でも、


(ここまできたら、渡さなきゃ…!)


ぎゅっとカバンの紐を握り締める。


胸が、張り裂けそうだった


尋常じゃないぐらに胸がドキドキしてる


「っ、顔の、傷・・・」


「えっ?あ、ああ・・・
球技大会で派手に転んじゃってさ」


先輩は戸惑いながらも言葉を返してくれた


初めて聞いた先輩の声は、おもっていたより低くて、


心地よい声色だった。


「それで、傷がどうかした?」


「あっ、えっと・・・そのっ・・・」


頑張れあたし。


絆創膏を持つ手が震えてるのがわかる


お願い、もう少し


もう少しだから頑張って


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