はると先輩
「~~っ!こ、これっ!使ってください!」


声が、震える。


しばらくして、勢いよくだした絆創膏に手が触れるのがわかった


触れた手先がジン・・と熱くなる


「・・・ありがとう」


(―――っ)


上を見上げると、


「いっいえっ!」


初めて見た先輩の笑顔があった。


あたしに、向けられた笑顔。


「そっ、それじゃあ!」


素早く先輩の元を立ち去る。


―――プーっ


タイミングよく電車がきてくれてよかった。

< 25 / 64 >

この作品をシェア

pagetop