はると先輩
その姿をじっと見てると、こっちを向いた先輩と目があった。


(目、あっ・・・)


ドキン、と胸が音を立てる。


「どうかした?」


不思議そうに先輩はあたしの顔を覗き込む


(顔、ちか・・・っ)


真っ赤な顔であたしは答える。


「前髪触ってたので・・。」


「ああ・・・。
ピン、忘れちゃってさ。」


前髪邪魔だよね。と先輩は呟く。


「あっ、あの!」


自分でも不思議だった。


前はそんなこと言えなかったのに。


「ピン、貸しましょうか・・?」
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