誰よりも大切なひとだから。



*.**.**.*


そもそも相手いませんし
って、苦笑していた長野くんの表情が脳裏でぐるぐる回っている。


……焼け付いて離れないんだな。これが。


自室の机上には、空色のメモ書き。


そこに黒のボールペンの文字が佇んでいる。


"ずっと好きでした。"


今朝の出来事は、かなりショックだった。


告白する前から、フラレた気分だった。


だからラブレター自体やめようかな、って一瞬本気で思ったんだけど。


「……結局、書いてしまった」


想いを伝えるくらいいいよね?
……なんて、言い訳を加える。


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