誰よりも大切なひとだから。
私は自分の席に着くと、やるべきことはやってしまったという達成感のような脱力感に見舞われた。
これで全ては決まる。
もう後戻りはできない。
私の気持ちが長野くんに知られてしまう。
何にもやる気が起きず、ぼんやりしていると、クラスメイトの真由美ちゃんがやって来た。
今日の2番目は長野くんじゃない。
電車が遅れているのだろうか。
「おはよう。真由美ちゃん」
「彩ちゃん!外行こ外!!雪だるま作ろう!!」
「あ!行く」
一人でいても余計なことを考えてしまう。
もう半分ヤケだ。
もうどうにでもなれ!という気持ちで私はコートを着て、外へ出た。