誰よりも大切なひとだから。
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そのラインが来たとき、思わず叫びそうになった。
『今から電話してもいいですか?』
長野くんからのラインである。
家族が近くにいたから、叫ばなかった自分を褒めてあげたい。
待ちに待ったラインだったのだ。
昨日からずっと、スマホを気にしていたから。
しかし。うん。
祖母も母もいる前で、何となく開けたスマホにラインが届いていたのに気づいたちゃったけど。
さすがに家族の目の前で、告白の返事を聞くのはつらすぎる。
それにまだ、心の準備が整っていない!
『ごめん。今手が離せないの。夜は無理かな??』
送ってから、はた、と気づく。
心の準備。
きっと長野くんも整えてから、このラインをくれたのに。
彼の出鼻を挫くようなことをしてしまっただろうか。
慌てても、遅い。
ラインはすでに、既読がつけられた。
『了解。夜だね』
『10時半くらいなら、大丈夫だと思う』
その時刻なら、両親も寝静まってくれるはずだから、ゆっくり自室で電話ができる。
わがまま過ぎるよね、なんて思ったけど、彼はすぐに優しい返事をくれる。
『わかった。頑張ってね』
私は唇を噛み締めた。
とうとう、彼の返事を聞くことになる。
私たちの関係に大きな分岐点が待っている。