誰よりも大切なひとだから。
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〈告白しないの?彩さん〉
優希はいつもストレートだ。
まっすぐ言葉を投げかけられる。
〈うーん……^^;〉
この3日間、長野くんについて、優希にラインで聞いてもらってた。
そのおかげで、彼が好きだということを自覚した。
その想いがどれほど強くて、どれほど深いものかまでは、分からなかったけれど。
〈告白しなきゃ、現実は何もかわらないで〉
〈……それは、わかってるけど……〉
〈変えたくないの?現実〉
現実を変えたくないか?
……そんなの、わかんない。
現実を変える必要あるの?
……たとえ、変えなくても、私は充分すぎるほど、充実してる気がする。
友達がいて、家族がいて。
勉強だってできるし。
何不自由なく暮らしている。
それでもう充分すぎる気がする。