誰よりも大切なひとだから。



自分の心の中の納得をまだ何も優希には伝えていないのに。


〈そっか。でもさ、彩さん〉


優希から言葉は届く。


〈どうせ後悔するなら、何もしないで後悔するより、行動してから後悔するほうがいいんじゃない?〉


優希はエスパーなのかな?
なんでこんなに、私の心がわかるの?


私がほしい言葉をくれるの?


〈もしかしたら、一生に一度の恋かもしれないじゃん??あのとき伝えていたら……なんて後悔してからじゃ遅いじゃん〉


〈そうだね〉


何もしない後悔より、行動してから後悔。


優希がくれた言葉に、ぎゅっと、スマホを持つ手のひらに力を込める。


深い深呼吸。


そして、ちょっとした決意を送信した。


〈わかった。バレンタインに手紙書くね〉


行動してから後悔したなら、受け止めてやろうじゃない。


もしフラレてもちょっとした勇気を出せた自分をほめてあげよう。


〈うん!ファイト。応援してるよ〉


優希からのラインに、ありがとう、と返事をした。


1月6日。
高2の冬、私は人生初のラブレターを書くことに決めました。



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