誰よりも大切なひとだから。
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休憩が終わると今度は、わんちゃんの授業だ。
私はその間、教室内をぐるぐる回って、分からなくて困った顔をしている人に個人的に教えるのが役目。
教室内をぐるぐる回る。
わんちゃんは教壇の上でワチャワチャしてる。
ホワイトボードのペンを手から滑らせ、キャップを落とし、講義用のプリントをあちらこちらに置き忘れては探している。
それを見て、みんな微笑む。
慌てていても、焦ってしまっても、それでも一生懸命。
それがわんちゃんのいいところ。
本当に犬みたいに愛くるしいその姿が、男女ともに人気だ。
でもまぁ、人気は人気だけど、わんちゃんっていつも賢く可愛い犬扱い(笑)
一応男の子なのに、人気者なのに、きっと大半の女子から男の子扱いされてるところを見たことがないな。
(あ、もちろん私も男の子として見たことない)
「あ、あれ?わしのプリントどこや!?」
わんちゃんがプリントを探して、くるくる回転してるので、また笑い声が起こった。
わんちゃんの授業は笑いあり。
だけど、しっかりわかりやすい。
本人、教師志望だし、いい先生になるんだろうなーって思う。
「あ、あった!次の問題!4番!長ちゃん行こか」
長ちゃん、という言葉にちょっとピクリ。
長ちゃんは長野くんのことだ。
長野くんと仲良しのわんちゃんは彼のことをそう呼んでいる。
長野くんを見ると、困った顔で苦笑しながら、わんちゃんを見ていた。
ヘルプと顔に書いてある。
行ったげて、とわんちゃんが私に目で合図した。