誰よりも大切なひとだから。
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カーテンを勢いよく開けると、朝日が目に染みた。
手のひらをかざして、顔を遮る。
その指の隙間から外の風景を覗くと、野球部員たちがこの寒空の中、半袖で素振りをしている。
よくやるわー
半袖とか
さすがの長野くんも、体育の授業では長袖のジャージを着るようになった。
ま、短パンなんですけどね。
「うわ!時間やべー!」
駐輪場が騒がしくなったと思ったら、朝練に遅刻寸前の男バス部員が猛ダッシュで体育館へ向かっていった。
「……もう、ないんやなぁ」
静かな教室に響く私のつぶやき。
感傷的な自分に気づいて、私は自分の座席に戻った。