キミ色の夏
「えーと、ゴホン。 お二人さん、いい雰囲気のところ悪いんだけど、そろそろ行きませんか?」
入り口付近から聞こえた声。
その場所を見ると、瑞希くんが苦笑気味に笑いながら私たちを見ていた。
「あっ……ご、ごめんなさいっ……」
そうだっ、近くには瑞希くんが居たんだっ。
顔がボボボッと一気に赤くなって、慌てて柚希くんから離れようとするけれど……、
「ゆ、柚希くんっ……」
「待って、もう少しだけ。 ヤバい、スポーツドリンクに包まれてる感じで俺ヤバい」
「え、ちょっ……」
「柳井ヤバい。 スポーツドリンクまみれだから舐め回したい」
「……馬鹿っ」
なんという変態発言っ。
ほんっとにもう、柚希くんって馬鹿だっ……。
「柳井、もう少しだけっ」
「無理っ」
なんとか離れようと動く私と、
更に抱きしめようとしてくる柚希くん。
そんな私たちを見る瑞希くんは、どこか呆れたような顔で笑っていた。