キミ色の夏
「……すげー真っ直ぐにお礼言われるとメチャクチャ照れる。
あー、ヤバい。 柳井の言葉のせいでメチャクチャ体熱くなってきたっ。 汗 吹き出すしっ」
「既に汗だくだけどね」
「くそっ。俺カッコ悪すぎっ」
「そんなことないよ」
柚希くんはカッコイイよ。
いつだってどんな時だって、柚希くんはカッコイイ。
「何も言わないで帰ってごめんね」
「……コンビニの中で商品見てた時、『柳井が無断で帰った』って瑞希から電話もらったんだ。
だからすぐにお前の携帯に連絡しようとしたんだけど……もしも杉田と会ってるのなら、俺は邪魔だろ?
杉田は本気で柳井が好きかもしれない。 杉田が本気なら、俺が柳井に連絡するのは迷惑だって思った。 だから連絡はしなかったんだよ」
「……でも、じゃあどうして私のことを探したの……?」
柚希くんは言っていた。 『上手く行くといいね』って。
私と剛くんの関係が上手く行くことを、柚希くんは願っていたはず……。
だからこそ連絡もしてこなかった。
それでも探してくれたのは、どうして……?
駆けつけてくれたのは、なぜ……?