キミ色の夏


……って、そういえば私 泣いてたんだっ。


外灯の下に行ったら、泣き腫らした顔を確実に見られちゃう……。


恥ずかしさで顔がカーッと熱くなって、前へ進んでしまったことを後悔する。

でも、もう逃げることは出来ない……。



「……」



あと、4歩……3歩……。

進むにつれて心臓の音がどんどん大きくなって、目を開けているのもツラくなる。


あと2歩……1歩……、






ガシッ



「えっ……!?」



俯きながら自転車の人の横を通り過ぎようとした時、

何故か私は自転車の人に腕を掴まれた。


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