キミ色の夏
「……柳井、顔 真っ赤。 マジでキスすると思った?」
「う、うるさいっ……」
「してあげてもいいよ? 1回500円」
「上から目線ウザいっ。 ていうか、なんで私が500円払わなきゃいけないのよっ」
「500円で出来るんだからお手頃じゃん」
「絶対しないからっ」
ニコニコ……というかニヤニヤと笑う瑞希くん。
ほんっとにもうっ、なんという性格の悪さっ!!
同い年だとは思えないよっ。
「瑞希くんっ、そんなアホみたいなこと言ってると永遠に彼女出来ないからねっ!!」
「あれ、言ってなかったっけ。 俺 彼女居るよ?」
「なんですと!?」
「ちなみに去年の春から付き合ってますけど何か?」
ガーン。
ま、まさか彼女持ちだったとは……。
しかも去年の春からのお付き合いって、相当長い。
うわー、瑞希くんは大先輩だ……恋愛の達人だ……。
「あれ。 え、でも花火大会は一緒じゃなかったよね……?」
「一緒に居たよ。 ていうか夕方にじいちゃんちに来てたよ。
まぁ、柳井は兄貴と手ぇ繋ぎながら花火をじっくり見てたから、知らないだろうけどね?」
う……ニヤニヤ男、再び。
くそぅ、なんでその時に紹介してくれなかったんだ……。