キミ色の夏


嫌みの無い淡いピンクや黄色、青や紫といった色とりどりの浴衣を着た人たち。

髪も綺麗にアップされていて、下駄を履いて歩く姿は本当に女の子らしくて可愛い。


……なのに私は、普通のシャツにジーンズにスニーカー。


周りの人と違いすぎて、私一人浮いてる感じだ。


みんなは花火大会に行く格好だけど、

私のは、なんだろう……普通に山登りが出来そうな格好かも……。


うぅ、なんだか帰りたくなってきたよ……。



普通のショッピングだったら、これでも大丈夫。

まったく女の子らしくない格好だけど、街中を歩くのには全然 変じゃないと思う。


あ、もちろん山登りでも大丈夫。

……むしろそっちの方が向いてる……?



「でも、花火大会だもんね……」



夏の風物詩。

みんなが楽しみにしているビッグイベント。


“おめかし”して行くのが当然だ。


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