キミ色の夏


……シンプルな服が、本当によく似合ってる。

きっと他の人が着てもこうはいかないんだろうな……。


と、そんな風に思いながら柚希くんを見つめていたら、バッチリ目が合った。


柚希くんは不思議そうに首を傾げたけれど、でもすぐに笑顔になって、



『ここに居るから』



って言ってるかのように、売店近くに立ち止まって床を指差した。

それにウンウン頷いて応えた私は、そのあとすぐに柚希くんから視線を外した。


……だって、なんか恥ずかしかったんだもん。


柚希くんの笑顔は本当にカッコよくて、床を指差すまでの一連の動きも凄く素敵だった。


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