キミ色の夏


………

……




その後、私は家の中へと入り、柚希くんの家族と会った。


優しそうなおじいちゃんと、もっともっと優しそうなおばあちゃん。


柚希くんのお母さんはとっても朗らかで、

笑った顔が柚希くんとそっくりだった。


お父さんは仕事があるから、残念ながら今日は来られないみたい。


それを教えてくれたのが、柚希くんのお姉さん。


お姉さんは既に結婚していて、

今日は旦那さんと3歳になったばかりの娘さんと一緒に来ていた。


柚希くんにとっては、可愛い可愛い姪っ子ちゃん。

でも、どうやら姪っ子ちゃんは柚希くんのことが怖いみたい。


私が抱っこするとニコニコしてるのに、

柚希くんが抱っこすると全力で拒否っ。


バタバタと暴れて大泣きして、大変な状況に。


でも他の人が抱っこするとピタッと泣き止んで、また笑顔。



『なんで俺だけ……』



と いじける柚希くん。

その姿が なんだかとっても可愛かった。


そんな風に思いながら笑っていた時に、瑞希くんが出店から帰ってきた。


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