キミ色の夏
「瑞希くん、おかえりっ」
「ただいま。 って、すっかり溶け込んでるねー」
「うん、みんなと一緒だと凄く楽しくてっ」
「そっか、よかった」
最初は不安だったけど、柚希くんの家族はみんな優しくて、あったかくて、本当に素敵な人たちばかり。
だから不安なんてあっという間に消えて、今は笑顔いっぱいに過ごすことが出来ていた。
「はい、色々買ってきたからテキトーにつまんでね」
「わっ、ありがとうっ」
たこ焼きにフランクフルト、りんご飴にチョコバナナ、クレープもある。
わたあめもあったけど、それは姪っ子ちゃん用みたい。
柚希くんと一緒に色々食べて回ったけど、
それでもこうやって並べられるとまた食べたくなっちゃうから不思議だ。
「瑞希くん、クレープもらうねっ」
「うん、どうぞー」
クリームたっぷりのクレープを受け取り、すぐさま口へ。
うんっ、甘くてメチャクチャ美味しいっ。
こういうイベントの時はついつい食べ過ぎちゃうけど、
でも食べずにはいられないっ。
ほんっと、美味しいなぁ。
「そういえば、さっき下で杉田と会ったよ」
「へぇー、そうなんだ……って、杉田って杉田 剛くんのことッ!?」
「うん、その杉田」
えっ……な、なんで瑞希くんが剛くんのことを知ってるの……?