キミ色の夏


気付けば外はだいぶ暗くなり、花火が上がるまで あと5分。


空を見ながら一息ついた私の隣にやって来たのは、

お気に入りのスポーツドリンクを持った柚希くんだった。



「柳井、お疲れっ」

「お疲れ様、柚希くん。 ……って、ずっと姿が見えなかったけど、どこ行ってたの?」

「ビール足りないから買ってこいって言われて、瑞希と一緒に下 行ってた。
つーかさ、酒買うのを未成年に頼むか? ほんっとに俺の一族は何考えてんだか……まぁ普通に買ってきたけど。
で、大量のビール缶が入った袋を両手に持って、キッツい階段を2回も上ってきたとこ。 ほんっと死ぬかと思ったよ……」



姿が見えないなぁと思ってたら、

柚希くんは瑞希くんと一緒にお酒を買いに行ってたみたい。


しかも、キツい階段を2回も上ったとか……。


話を聞いてるだけで大変さがわかるし、

階段を上ってないのに なんだかちょっと疲れた……。



「本当に本当に、お疲れさまでした」

「柳井こそ大丈夫? 大変だったんじゃない?」

「ううん、私は大丈夫っ」


「そかー。 ま、あとはゆっくり休もうぜ」

「うんっ」




シートの上にゴロンと横になった柚希くんは、すぐにグーッと背伸び。

それが終わると、汗でペッタリとしていた髪をかき上げた。


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