キミ色の夏
「なんか俺、汗だくでカッコ悪いな」
「ううん、柚希くんはカッコ悪くなんてないよ」
「じゃあカッコイイ?」
「うん、凄くカッコイイよっ」
「……いや、自分で聞いといてなんだけど、真顔でそう言われるとすげー照れる」
「あっ……ご、ごめんっ……」
……私、当たり前のように『カッコイイ』って答えてた。
柚希くんはきっと『なに馬鹿なこと言ってるの?』って
私が笑って答えると思ってたはず。
なのに私、真顔で答えちゃった。
柚希くんのこと、『カッコイイ』って言っちゃった……。
「……あのさ、柳井」
「は、はいっ……」
ゴロンと横になった状態で私を見る柚希くん。
目と目は合ったままで、胸がドキドキと音を立てる。
どうしよう。
凄く緊張する……。
「俺さ、柳井のこと……」
と、柚希くんが何かを言いかけた時だった。
ヒュー
ドォン!!
暗くなった空に、色鮮やかな大輪が開いた。