キミ色の夏


「ねぇ柳井、そろそろお昼だけどどうする?」

「え、もうそんな時間? うわー……時間過ぎるの早すぎ。 目標の半分しか終わってない……」

「とりあえずメシ食いに行こっか?」


「ん、そだねー」



お昼だって気付いた瞬間にお腹がすいてきた。

静かな図書館でお腹がグーってなっちゃったら恥ずかしいから、お昼ご飯を食べに行こうっ。

残りの課題はまた午後だ。






「あー、疲れたー」

「瑞希くんは言うほど疲れてないでしょ、スラスラ解いてたもん」

「人の5倍集中してやってるから疲れるんだよ」


「ふぅーん、さっきあくびしながらやってたのを見てたけど?」

「それは多分、気のせいだよ」



図書館を出たあと、私たちは笑いながら道を進んでいった。


ここから少し行ったところにファミレスがある。

というか、この辺りにはそのファミレスしかない。


コンビニはあるけど、冷房の効いた場所でご飯……と考えると、ファミレス以外にはありえなかった。



「ね、午後は兄貴も来るんだよね?」

「うん、1時過ぎには来るってさっき連絡あったよ」

「俺が一緒だと邪魔じゃない?」


「え、なんで? 邪魔じゃないよ?」



むしろ、一緒に課題を進めたい。

というか問題の解き方を教えてもらいたい。


柚希くんと瑞希くんが居てくれると凄く心強いんだけど……、



「どう考えても俺って邪魔じゃん」



……と、瑞希くんは苦笑い。


うーん。

全然邪魔じゃないんだけどなぁ……。


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