キミ色の夏
「みんなで一緒の方が楽しくない?」
「まぁそうだけど。 でもさ、柳井と兄貴は付き合ってるんだろ? だったら二人で過ごした方がいいじゃん」
「……えっ、ちょっと待って!! 私と柚希くんは付き合ってないよっ!?」
「あれ、そうなの? 花火大会の日にデートしてたのに?」
「デ、デートって……別にそんなんじゃ……」
……そりゃあ、一緒にあちこち行ったり、一緒に花火を見たりしたけど……。
でもデートじゃない……よね。
あれ?
花火大会の時のって、デートだった……?
いやいや、そもそもデートってどういうやつ?
どこからがデートで、どこからが普通のお出かけ?
な、なんか、全然わかんないんだけど……。
「あ、あの……あれってデートだった……?」
「うん」
「えと……じゃあ今日のは、なに?」
「俺と二人で居る今のこと?」
「うん……今のこと」
「コレもデートだね」
……やっぱりよくわからない。
えっと……男の子と一緒に出かけたものは、全部デートってこと……?
「私と瑞希くんは、図書館で課題をやってただけだよね? それでもデートなの?」
「うん、図書館デート」
「……」
「あれ、俺とデートはイヤだった?」
「イヤっていうか……デートって言葉がよくわからない……」
恋人が一緒に出かけるなら間違いなくデートだよね。
ちょっとした買い物でもデートに含まれると思う。
でも私と瑞希くんは恋人同士じゃないし、柚希くんともそう。
それでもデート……なのかなぁ……。