キミ色の夏


うーん。

やっぱりよくわからない。



「あー、なんか兄貴が可哀想」

「え、どういうこと?」

「どっからどう見ても柳井のことが好きじゃん。 なのに柳井は全然気付いてないんだもん、可哀想過ぎだろー」


「……えぇっ!?」



ゆ、柚希くんが私のことを……!?



「そっ……そんなのあり得ないよっ!!」

「なんで?」

「だって私と柚希くんはっ、ただの友達でっ……!!」


「そう思ってんのは柳井だけだろ。 ……柳井はさ、兄貴のこと好きだなって思ったりしない?」



好き。

その言葉に胸がドキリとなる。


私は……柚希くんのことが好きだよ。

でもそれは友達としてのもので……柚希くんだって、きっとそうだよね……?



「と、友達としては好きだよ……?」

「胸がドキドキしたりはしない?」

「……時々、する……」


「じゃ、友達以上に好きってことだろ」

「……友達、以上……?」

「うん。 友達以上、だよ」



……私は柚希くんが好き。

友達以上に、好き……?


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