キミ色の夏


……意味わかんないよ。

冷たい瞳で私を見た剛くんが、今はまた微笑むなんて……その理由が、全然わからない……。






「杉田は、柳井のことが好きなのかもしれないね」



……え?


剛くんが、私のことを……?



「柳井に対する接し方とか、過ごしてきた時間の長さとか、俺が知ってる杉田とは違う感じがするんだ。
付き合ってなくても1年の頃から仲良くしてきたんだろ?
それって、柳井が杉田を好きだったように、杉田も柳井が好きだったんじゃないかな」



……私のことは、他の子とは違うように見ててくれたってこと……?



「杉田の想いは、ホンモノかもしれないよ」



柚希くんがそっと私の手を握りしめた。


顔を上げ、柚希くんの顔を見つめる。

目と目が合うと、柚希くんは私に小さく言った。




「今度はちゃんと、上手く行くといいね」



と、どこか寂しそうな笑顔で。


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