キミ色の夏
「……柚希くん……?」
「ごめん、コンビニ行ってくる」
「あっ……」
柚希くんの手が、私から離れる。
……どうしてそんなに寂しそうな顔をしてるの?
どうして、
私から目を逸らすの……?
「昼飯まだだったろ? テキトーに買ってくるから待ってて」
「……柚希くんっ」
「すぐ戻るから。 ……ね?」
ポンポン と、頭を叩かれる。
だけど柚希くんはやっぱり私の目は見ないで、
別の方を向いたまま すぐにリビングを出ていった。
柚希くんの寂しそうな笑顔に、胸がズキズキと痛くなる。
……柚希くんは私に言った。
『今度はちゃんと、上手く行くといいね』
って。
でも、
どうしてあんな風に笑うの……?
凄く寂しそうに。
凄く苦しそうに。
ツラそうに。
……泣き出してしまいそうに。
「柚希くん……」
胸の痛みが増していく中で、
涙がまたポロリと こぼれ落ちた。