キミ色の夏


日陰が少ないからか、1番日差しの強い時間だからかはわからないけれど、

今この公園に居るのは私と剛くんだけだった。



「呼び出してごめんな。 でも、来てくれてありがとう」

「……うん」

「はい、これ。 喉渇いてると思って」


「あ、うん……ありがとう……」



剛くんに渡されたのは、青いラベルのスポーツドリンク。

……これ、いつも柚希くんが飲んでるやつだ。


なんでかな。


目の前に居るのは剛くんなのに、

私は柚希くんのことを想ってる……。


柚希くんに会いたい。と思ってしまっている。






「暑いから手短に話すよ」



流れる汗を拭い、剛くんは静かに息を吐き出した。



「公原先輩とは一緒に居ない方がいいと思う」

「……え?」



一緒に居ない方がいい、って……どうしてそんなことを言うの……?



「あの人の近くに居ると必ず不幸になる」

「……」

「俺、トッコが不幸になるのは見たくないよ」



不幸……柚希くんと一緒に居ると、不幸になる……?



「これ以上、あの人に近づかないで欲しい」

「そんな……でも、なんで……」

「頼むから、俺のそばに戻ってきて」


「……え?」

「俺の隣に居て欲しい」



グイッ と、腕が引っ張られる。

その時に、渡されていたペットボトルが手から離れて地面に落ちた。


今 私は、剛くんの腕の中……。


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