一途な彼と不器用彼女①
ガチャ…。
蒼依「……っ。
なんだ陸か……。」
俺が入ると蒼依はもう起きていた。
そして蒼依は微笑みながら寝ている優依達の頭をなでていた。
ドキッ...。
俺いまの蒼依の表情にときめいたか...?
俺が?ないな。絶対。
って……。
陸「なんだよ。
俺じゃだめなのかよ。」
“なんだ”とか言われたらな。
そう思うのが当たり前だろ?
蒼依「いやそういう意味じゃないよ。
ただ敵だったらって思ってね。
いちを人が来る気配がしたから警戒してたんだけど。」
ふーん…。
さすが紺野組時期組長だ。
回りの気配も速やかに察知してる。
蒼依「それより梨絵から聞いたんでしょ?
私の事。」
陸「ああ。
でも俺らは同情する気はない。
可哀想なんて思わねーよ。」
蒼依「へぇー…。
ま、梨絵から聞いたと思うけど私の命はそう長くないから。
この子たちに愛情を注げる時間が決まってる。
だから今のうちにこの子たちを愛さなくちゃね…。」
なんて良いながら優依たちの頭を優しく撫でる蒼依。
俺はずっとこいつに聞きたかった。
陸「なぁ……。
お前はさ死ぬのって怖くねーの?」
ってな……。
すると蒼依は無言のまま。
でも俺は言う。
陸「なら仮に蒼依がいなくなったら優依たちはどうなるんだよ。
こいつらはだれが世話をするんだよ。
残されたものはどうなるんだよ。
少しは残される側の気持ちも考えろよ…。
頼むから……臓器移植してくれよ……。」
今感情がごちゃごちゃして俺がなに言ってるかわかんねーけど…。
でもこれだけは言わせてくれ……。
陸「死ぬなんて……言わないでくれ……。」