一途な彼と不器用彼女①
でも昨日までは普通だったって言うことはもしかして。
蒼依「もしかして...もうすぐ有紗さんのアレなんじゃ。」
私がそう言うと案の定目を開けて私を見てくる。
その表情からしてたぶん私の推理は正解。
でも私は無理に聞くわけにはいかない。
蒼依「別に答えたくないなら別にいいけど」
だって過去について干渉されたらいやだし。
陸「っ...い、いやゆう。
蒼依が思っている通りだ。
もうすぐ有紗の命日でこの時期になると有紗が死ぬ時の場面がフラッシュバックされるんだよ。
だから昨日蒼依が倒れたとき正直言って怖かった。
あーまた自分の前から人がいなくなるんだ。って思って怖かった。
俺...カッコ悪いよな...総長の癖に...過去に囚われているなんて...。
でも...次蒼依が倒れたとき...起きてくれなかったら...このまま...死んでいってしまったら...。
そう思うと...恐怖で眠れねー...。
なぁー...頼むから...移植してくれよ...。
俺から...離れないでくれよ...。」
やっぱり陸は怖いんだ。
誰かが死んでいくのを目の当たりにするのが。
でも...
蒼依「大丈夫。
私は死なない。
あいつの為にも陸のためにもね。」
私は死なない。
あいつと決着するまではね。
陸「ああ。
でも蒼依は移植受けねーんだったな。」
まぁー昔の私なら...ね。