一途な彼と不器用彼女①
ついつい顔が赤くなってきたじゃない。
顔がある程度整っていたらみんなキザな台詞も言えるのかな。
陸「もう...お前可愛すぎ。」
蒼依「は?って.....っ!」
キュッ...。
な、なんでこんな状態になっているの!?
なんで私陸に抱きつかれているの。
陸「はぁ...お前無理すんなよ。
体調悪い時は俺に言え。
今日も少し顔色悪い。」
あ、ありがと。
........っておい、耳元で話すなよ。
それに無理って...
蒼依「それはこっちの台詞。
陸こそ辛いんじゃないの。
もうすぐ命日なんでしょ。
こうしてあげてるから泣きたかったら泣きなよ。」
私は“今日だけね”と付け足して陸の背中に手を回した。
陸「はは...蒼依らしいな。
ハハッ...わりぃな...。
本当は...こうして...もっと甘やかして...やりたかったのにな...。」
なんていいながら鼻をすする陸。
陸は大丈夫。十分強いから。
今一生懸命過去の自分と戦っているから。
もう大丈夫だよ。
誰も完璧な人間はいないから。
陸も所詮まだ子供だしね。
私は陸に“大丈夫”と呟く。
そしてその心地よさに私は夢の世界へと旅だった。