一途な彼と不器用彼女①

*決着の時*

*蒼依side*


今日の日付は6月29日。


そう、この日は優兎斗の命日。


そしてアイツとの決着をつける日である。


もちろん今日は甘ったれた感情はいらない。


私のなかにあった友情や家族のありがたみももう捨てた。


すべては復讐のため。


そしてその復讐が終われば私はアメリカに立つ。


まぁ生きてたらの話だけど。


とりあえず今の時刻はPM.7:30。


約束の時間まであと1時間半。


私は紺野蒼依で行くためとりあえずフード付きの黒いパーカーと黒いズボンにはきかえる。


そして私の本来の姿になる。


...そう本当は私の今までの姿は偽物。


本当は黒髪ではなく金髪。


黒目じゃなくて青目。


そう私はパッと見外人に見える容姿で生まれてきた。


もちろんこの容姿を嫌ったことはない。


母親と父親の血を受け継いだこの容姿は嫌いたくても嫌えなかった。


もちろん私の容姿がこうであるからには母親か父親かどちらかが金髪で青目の可能性がある。


まぁ、私の両親は父親が金髪で母親が青目だったんだけど。


あ、もちろん外国人ではない。


突然変異で生まれた両親。


そんな両親の遺伝を受け継いだ私はパッと見外国人だと思う。


でも私は両親に少しでも嫌ったことはない。


むしろ誇らしいぐらいだ。


ってそんか昔話も今日はいらないか。


とりあえず本来の姿となった。


そして私は耳に黒薔薇をモチーフにしているピアスをつける。


これで“blue rose姫兼幹部紺野蒼依”の姿へとなった。


只今の時刻PM.8:00


もうすぐで決着がつく。


ふふ...まっててよ優兎斗。


もうすぐあの事件の決着がつくから。


それまで私の側で見守っててよ。


そう私は言いたかった。


そう思いたかった。


でもどこかの奥で陸の顔が思い出すのは何故?


みんなを思い出すのはなんで?


でも私はその疑問を知ろうとはしなかった。


いや答えを聞きたくなかった。


そして私はあいつとけじめつけるために家から出た。


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